熱中症とは
熱中症とは、高温・多湿・無風などの環境によって体温の調整がうまくできなくなり、頭痛・めまい・痙攣・意識障害などを起こす病気です。
熱中症が起きる原因
熱中症をおこす条件は『環境』と『体』と『行動』が考えられます。
環境の要因は、気温が高い・湿度が高い・風がない
体の要因は、暑さに慣れていない・疲労や寝不足・基礎疾患
行動の要因は、激しい運動・長時間の作業・水分が補給できない状況
これらの結果、熱中症が引き起こされています。

熱中症防止策
・無理をせず徐々に体を暑さに慣らしましょう
・室内でも湿度を気にしましょう
・体調の悪いときには特に注意しましょう
(環境省:熱中症予防サイトより引用)
暑くなり初めの頃の体は、うまく汗をかけません。汗が出なかったり、大量の汗を出してしまい水分不足になったりします。しかし、1~2週間汗をかく日が続けば、体は効率よく汗をかくことができるようになります。
湿度が高いと、うまく発汗したとしても気化しにくくなるため熱がこもってしまします。特に室内では日射による熱は防げても、湿度が高いと体温は下げにくくなります。扇風機などで気化を促進するなど対策が必要です。
体調不良は体温調節に大きく影響します。寝不足、疲労などの状況ではいつもより限界点は低くなっていることを自覚して、無理をしないようにしましょう。
その他、物の準備も重要です。

水分・塩分をとれるようにする。 水筒・ウォーターサーバー・塩タブ・塩飴
体温を下げられるようにする。 扇風機・エアコン・氷・コールドスプレー・たたけば冷える冷却材
環境・体調を見える化する。 気温計・湿度計・WBGT計・体温計・血圧計
くり返されてしまう”真の原因”
いくつか対策をあげました。どれも効果的で広く知られています。
では、なぜ繰り返されてしまうのでしょう?
そこで、気になるデータを1つ
部活における種目ごとの熱中症死亡事故のデータです。

一目瞭然、とびぬけて野球が多いことが確認できます。
ソフトボールやテニスは少ないですね。
どれだけきつい運動なのか運動強度を比較するデータを次に
(メッツは運動強度を表す単位で数値が大きいほど負荷のかかる運動です。)

野球のメッツは5.0。ソフトボールと同程度で、テニスの7.0よりも小さく運動強度は高くないことが確認出来ます。
いやいや!
『競技の運動強度じゃなく、練習は違うんだよ!』
『ダッシュは死ぬほどやらされるし、ノックは倒れるまで!全然競技の運動強度では比べられないから!!』
と怒られてしまいそうですが、テニスでもインターバルやサーキットトレーニング、2vs1などキツい練習は一杯やります。
では、なぜ野球で倒れてしまうのか?
これではないでしょうか

心をひとつに全員野球
辛抱 我慢 忍耐 こそ美徳
きついのはみんな同じ。自分だけ休めない。
辛いと感じるのはたるんでいるから
恥ずかしくて言い出せない
↓
無理をして倒れる
本当に怖いのは、倒れてしまうことより調子が悪いと言い出すことの方が恥ずかしいと思っていること
『弱音吐くより倒れてしまったほうがまだまし!』確かにカッコいいのかもしれません。死ななければ。
野球を例にとりましたが、どんなスポーツでも作業でも仕事でも同じことです。これではいけません。
真に取るべき熱中症対策
調子悪いと言い出せる環境を整えていなければ、どんな資材・機材・設備をそろえても無意味です。
環境、体質、体調などによって限界は人それぞれ。自分の限界と他人の限界は違います。
危険な状態に入る前に自分で気付くことも大事だし、自分が大丈夫でも仲間は大丈夫なのか気を配らなければいけません。
それぞれがお互いに気を配り、調子が悪いと言い出せる環境作りこそが熱中症対策の基本であり、大前提なのです。
いくらいい応急処置機材・対策品をそろえても、未然、初期で対応できなければ災害、事故になってしまいます。
まずは、お互いがお互いに責任を持つことを認識してもらい、結節時には顔色や反応を観察しあい
いつでも水分補給や小休止が取れることを周知し、実践してもらうことが大切です。

起こってしまった場合の対応
涼しいところで休ませとけばいいんでしょ。と思ったら大間違いです。
実は怖い熱中症、本当の怖さは熱によって臓器が破壊されてしまうところです。
脳、肝臓、心臓、肺などは特に熱に弱く多臓器不全になってしまいます。
血液の異常も深刻で固まらなくなったり尿が出なくなったりします。また多くの細胞が死滅するため老廃物を処理しきれず腎不全を起こします。
この状態では安静にしていても改善することはなく、症状が軽いと思っていても数日後に死亡したりするのはこのためです。
病院で体温を強制的に下げたり、輸液・血液浄化したり脳圧管理や人工呼吸するなど様々な治療が必要になります。
このような深刻な事態になっているかどうかは素人には判断できません。
一つの基準として、立てない、話せないは即救急車。
そこまでではないときは、少し休んで通院。
少なくとも専門家に診てもらう必要があります。

まとめ
熱中症対策のポイント
調子が悪いと言い出せる環境作り。
いつでも水分補給や小休止が取れることを周知し実践してもらう。


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